自家用車でソロ登山をしてると、不便なことがひとつあります。それは、ルート設定が制約されるということ。登山口と下山口を同じにしないと移動が大変なのですよ。(それでもバスや列車移動に比べればアドバンテージは大きいのですが。)できれば同じルートを下りるのではなく、反対側に下りたり縦走したり、なんてことをやってみたいものです。

那須岳縦走フェスティバルが春秋の2回行われます

 うん、これはいいですね。参加料は4000円。ロープウエー、ゴンドラ、そしてシャトルバスの料金が含まれています。それに、縦走路の各ポイントにスタッフがいて、安全にも配慮してくれます。初心者でしかもソロ活動がメインの私にとっては神のようなフェスティバルです。

マウントジーンズ駐車場

 朝、マウントジーンズスキー場の駐車場に登山客が集まります。ちなみにこの駐車場で車中泊はできません。朝6時にならないと駐車場が開かないのです。(仕方なく、下の那須道の駅で寝ました。)
ここで4000円払って受け付け。バスを待ちます。
バスに乗り込み、那須ロープウエー乗り場に移動し、第1便のロープウエーで山頂駅へ。ここから縦走開始です。(午前7時30分)この段階ではガスがかかって視界はほとんどなし。

山頂駅はガスがかかって視界悪し。

 少し登ったらガスが晴れて茶臼岳山頂が見えてきました。台風で実施が危ぶまれたことを考えれば上出来です。山頂まではザレ場と火山岩ゴロゴロの岩場ですが、危険な場所もなくゆったりと歩きます。「ほぼコースタイム男」を自負する自分は、あせらず子ども連れ家族と同じくらいのペースです。
 途中の分岐点には必ず地元山岳会のスタッフがいて、安心感半端なし。

山頂が見える。
茶臼岳山頂。山頂駅からプラス230m。

 8時10分、特に苦労もなく山頂に到着。残念ながら眺望は今ひとつですが、登頂できたことと、この後の無事故を祈願してしっかりお参りします。
 ちなみに、私が山頂(あるいはその他の神社等)で祈願する項目は3つ。
1 自分が無事に下山できますように。
2 自分と家族(特に子ども)がずーっと幸せでありますように。
3 宝くじが当たりますように。
 ご利益は絶大で、コンスタントに67パーセント実現しています。

いつも通り、しっかりお参りします。
火山であることを実感します。噴火しませんように。

 山頂から、朝日岳方面にゆるやかな下り、峰の茶屋を通過し、登り返し。途中、少し急なガレ場と、高度感のある狭い道もありますが、こちらも命の危険を感じるほどではありません。ゆっくり歩いて9時30分に朝日岳到着。こちらも残念なことにガスで視界なし。

どう注意すればいいのでしょう。
峰の茶屋。ここが縦走路の鞍部。
高所恐怖症です。霧が幸いし、問題なく通過。
朝日岳へは分岐でリュックをデポして身軽になってアタック。

 朝日岳でおにぎりを食べて一休みして、最後の三本槍岳に向かいます。朝日岳からは穏やかなルートで、登山というよりハイキングに近い感覚。個人的にはストレスのないルートは大好きです。途中雨がパラリと降りましたが、すぐに止んで、歩くことだけに特化すればコンデションは悪くありません。でもね、視界がね・・・。

スポンサードリンク
途中、木道が壊れてます。ボランティアで直してやりたい気分。
三本槍岳は、槍の形をしているわけではありません。

 10時50分、三本槍岳到着。もうみなさんご存知かと思いますが、三本槍岳というのは、昔、3つの藩が山頂に槍を立てて領地の境界を確認したという逸話から名付けられた山で、槍ヶ岳のような尖った山ではありません。
 ここで残りのおにぎりを消費し、荷物を軽く(その分身体を重く)します。あとは下山するだけ。

山頂で写真撮ってもらいました。
山頂の案内板。
茶臼岳、朝日岳がようやく見えた。

 下山は三本槍岳からマウントジーンズのゴンドラ乗り場までまっすぐの道。途中、霧が晴れて茶臼岳、朝日岳が見えました。そんなに長い距離ではありませんが、それでも「あそこから稜線を歩いてきたんだなあ。」と感慨に浸れます。
 途中、「熊の爪あと」という表示にビビったりしながらも実物に遭遇することもなく、12時30分、ゴンドラ駅に到着。自販機でコーラを飲んで、ゴンドラに乗り込み、縦走が終わりました。
 そのゴンドラで、熊発見!自分の乗るゴンドラの真下を、2頭の子どもを連れた母熊が歩いています。たった一人のゴンドラで、「うおー、すげー。」と叫ぶ私。こういう時は誰かにそばにいて欲しい。感動を共有したいと願わずにはいられません。すぐにカメラを取り出し、だいぶ遠くなった熊をパチリ。小さいながらもなんとか写真に収めることができました。

爪あと・・・こわ。
いたー!熊いたー!
上の写真の拡大図。2匹の子熊も写ってる!
興奮した状態でゴンドラ駅へ。

 ゴンドラを降りると、係の方に「熊いました熊、熊、くまあ!」と興奮して話しかけ、写真を見せます。でも「あそこ、よく出るんですよね。」と、スタッフは落ち着いたもんです。そりゃ山ですから熊くらいいますよね。

縦走フェスティバル 楽しい

 ベテランの皆様にとってみれば「那須岳から三本槍岳までの縦走」くらい、どうってことないコースかもしれませんが、初心者にとっては「スタッフがついてくれて、フェスだからたくさんの登山客がいる。」というのは安心感が違います。4000円というお値段は安くはありませんが、個人的には参加して良かったなあと思ってます。

 それにしても、1日中同じ場所で待機するスタッフのみなさんは大変ですね。ありがとうございました。

タイムテーブル

6:30 マウントジーンズ駐車場にて縦走受付
7:00 シャトルバス乗車
7:20 那須ロープウエー山麓駅
7:25 那須ロープウエー山頂駅
8:10 茶臼岳山頂
8:40 峰の茶屋
9:25 朝日岳
10:10 清水平
10:50 三本槍岳
12:25 マウントジーンズゴンドラ山頂駅
12:40 クマ発見(ゴンドラから)
12:55 マウントジーンズ駐車場着

スポンサードリンク